Special vol.5

sphere 3rdアルバム『syvyys』リリースインタヴュー



■ バンドはドラムとベースが肝 ヴォーカルとギターは浮遊する

――今作は今までと全く違った印象を受けたのですが、それはいしばしさちこというヴォーカリストに、興味を持つことに繋がったんです。
他にもスロウパレードっていう2人組のユニットをやっていて、ソロでも活動してるんだけど、sphereとは音楽性はまるっきり違うね。かなりポップだよ。
――誠さんのギターにハマるヴォーカリストって、なかなかいないんじゃないですか。誰でもできるわけじゃないだろうし。
誰でもできますよ。
――いやいや、他の楽器もそうですけど、とても難しそう。
そんなことないって。今までのヴォーカルを見ても、木村世治(ZEPPET STORE)、山田浩文(wipe)、colon(DROP)、中條有紀、いしばしさちこ。全然タイプが違うでしょ。
――でも、音楽が難解じゃないですか。
ヴォーカリストの立場としては難しくないんじゃない?俺が何をやってるか、理解してやっているわけではないと思うけど、それでいい。俺が出したものに対して、相手も乗ってくるし、そうやって出来上がったものが俺の歴史だから。
――そこに乗り損ねる人もいそうな気がするんですけど。
いないよ、俺も相手ありきで動くんだから。俺が求めているのは常に刺激だから、ヴォーカリストが代われば代わるほど刺激があって、この人にはこういうアプローチをしようとか。楽しいよ。だからZEPPET STOREもwipeもDROPもsphereもサウンドが全然違うんだよね。
――最初、さっちゃんに会ったとき、sphereにとっては意外なヴォーカリストだなと思ったのですが、ステージで見ると本当にハマっていますね。
彼女はステージに立つときにスイッチが入るみたい。普段はおっとりしてるけど、変わるね。
――ドラムの石橋竜太郎さんは同じ“いしばし”さんですけど、偶然なんですよね。
うん、偶然。近藤ヒデアキ(Breakfast Of Champions)くんから紹介されたんだけど、彼はバンドを掛け持ちしていて、今はMARSEESIDE DERBYとBreakfast Of Championsでもドラムをやってる。両方俺の運営しているTETRAHEDRON RECORDSのアーティストという意味ではうちのお抱えドラマーだね。
――ベースのKIYOSHIさんはsphereの初期からのメンバーです。
もうマネージャーみたいな存在だよね(笑)。彼も他にhurdy gurdyで弾いてる。TETRAHEDRONの運営やライヴのブッキングなんかもほとんどKIYOSHIがやってくれてる。
――ギタリストとしてはヴォーカリストとの関係が重要のようですが、バンドって…。
そうなんだよ。だからRushなんだよ。Rushってドラムとベースが凄い。子どもの頃から、聴いていて1番面白かったのは、ギターじゃなくてドラムとベースなのね。だからバンドで1番大切なのは、ドラムとベースなんだよ。ギターとヴォーカルっていうのはその上を浮遊していればいいだけのものなんだけど、俺がコンビを組めるのはヴォーカリストだから。ドラムとベースはある種、バンドそのものなんだよね。



■ 五味誠流、究極のファンサービスとは “裏切り続けること”

――作品のリリースが全体的に減っている中で、頻度がどんどん増してますよね。
意欲的だよね。みんな、売れないから出さないんだと思うけど、俺にとってそれは関係ない。やっぱり楽しいんだよ。昔はやっぱり欲があったんだと思うよ、今思えば。動員の数とか売れる枚数とか、それを気にして行動したことはないけど、動員やセールスが必要だったから。今はそういうことは全く気にせず、俺が聴きたいものを作ってるだけ。音楽業界が不況だっていうけど、俺の状況は良くなってないかもしれないけど、悪くもなってないんだよね。
――インディーズのアーティストは以前にも増して、厳しいと言われていますから。
厳しいと思うよ、特に若い人たちは。でもこの時代に奇跡みたいなんだけど、今回のほうが前回の作品より売れてるんだよね。それに俺は確実に、お金払って来てくれてるお客さんのためにライヴをやっているわけじゃない。悪いんだけど、自分のCDをお金出して買ってくれた人たちのために、新しい作品を作ってるわけでもない。ZEPPET STOREのファンのためにバンドをやってもないし、自分を知っていて好きでいてくれている人へのファンサービスは本当に酷いけど、そこに向かない。今、酷いこと言ってるよね。
――私はファンですけど、そうは思いません。ステージに立てばその日がベストのライヴで、新作を作ればそれが今まででベストな作品だと、自分で自信を持ってそう言える活動は、逆にこれ以上ないファンサービスじゃないですか。
そうだよね、それこそが究極のファンサービスなんだよ。自分のことを好きな人を裏切り続けたいね。いい意味でね。でもそれは昔からずっとそう。ZEPPET STOREを最初に始めたころから、常に刺激を求めてきたし、これからもそうやって続けていくと思う。

五味誠さんからコメントを頂きました




Sigur Ros、Radiohead、Bjorkなどが好きな人にオススメ!
syvyys
ジャンル:オルナタティヴ/シューゲイザー

sphere 3rd album 『syvyys』
Now on sale!

1.Topography of the White Sea
2.Balaenoptera Acutorostrata
3.Havis Amanda
4.The sunshine filtering through foliage
5.Impression, soleil levant
6.The forgotten planet
7.Flame color
8.Hope
DQC-732 2,520円(税込み)


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